
補助金や助成金の利用を検討している人の中には、どの制度であれば利用の対象なのかわからないと感じている人もいるでしょう。そこで本記事では、歯科医院が活用できる補助金について詳しく紹介していきます。補助金と助成金の違いや歯科についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
補助金の活用で医院の健全経営が目指せる
歯科医院の経営には、歯科医師としての技術だけでなく、スタッフの人材確保や育成、福利厚生の整備など、経営者として多面的な手腕が求められます。近年では、働き方改革関連法や医師の働き方改革の施工により、医療従事者の労働環境の適正化が重視されており、歯科医院も治療の質と働きやすさの両立が必要です。活用できる補助金や助成金制度を正しく理解していれば、医院の健全な経営を目指す際に大いに役立ちます。
補助金・助成金の違い
補助金と助成金はどちらも、返済が不要な公的支援金という点が同じですが、目的や申請方法、利用時の審査の有無などに違いがあります。ここでは、補助金と助成金の違いをまとめて紹介します。補助金とは
補助金とは、新規事業立ち上げの促進や地域の活性化、中小企業の復興などを目的に実施されている制度です。財源は税金で、4月~6月頃に募集を開始されることがほとんどです。補助金は誰でも受け取れるものではなく、利用には審査があります。採択率は補助金ごとに異なり、高いものでは8割を超えますが、低いものでは1割を切るものも存在します。
助成金とは
助成金とは、国が事業者の労働環境改善のために実施している制度です。雇用の維持や新規雇用、人材育成、労働環境を整えるための助成などがあります。雇用の確保が目的であることが助成金の最大の特徴です。主な違い
補助金と助成金の最大の違いは、助成金が一定の条件を満たせば高確率で受け取れるのに対して、補助金は応募者の中から適性がある方に優先して支給されるという点です。どちらも共に審査がありますが、補助金では審査基準を満たしているかが重視され、助成金では申請時の提案内容が重視されます。そのため、助成金のほうが簡単に受け取ることができ、補助金は受け取りの難易度がかなり高めです。
歯科で使える主な補助金・助成金
最後に歯科医院が活用できる補助金と助成金をまとめて紹介します。補助金や助成金の活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。なお、本記事は2025年時点の情報を基に執筆しています。IT導入補助金
IT導入補助金とは、労働生産性の向上を目的としてITツールを導入する際に利用できる補助金です。中小企業や小規模事業者が対象で、通常枠とインボイス枠、複数社連携IT導入枠、セキュリティ対策推進枠の4つの枠が用意されています。働き方改革や賃上げなどの制度変更に対応するためのソフトウェアの導入、インボイス制度に対応するためのソフト・ハードウェアの購入、サイバーセキュリティ対策の強化を行うためのITツールの導入などに利用できます。
働き方改革推進支援補助金
働き方改革推進支援補助金は、労働時間の短縮や年次有給休暇の促進を行うために環境整備を実施した際に要した費用の一部を助成する制度です。中小企業の事業主が対象で、雇用しているスタッフの労働時間の見直しを行う際に活用できます。ものづくり補助金
ものづくり補助金は、生産性向上を実現するためのサービスの開発や生産プロセスの改善を目的とした設備投資を支援する制度です。生産性の向上に繋がる設備の導入などに利用でき、中小企業や小規模事業者が対象です。正式名称はものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金と言い、直近の採択率は3割前後となっています。