歯科衛生士の離職率は非常に高く、安定的な確保が困難とされています。そこで、求人サイトの活用は効果的です。多くの歯科衛生士にアプローチできるので、理想の人材に出会えるでしょう。しかし、多額のコストがかかることが課題です。ここでは、採用業務のコストを抑える方法を紹介しています。歯科業界で採用担当を行う方は必見です。
歯科衛生士の採用コスト
まず、一般的な歯科衛生士の採用コストを把握しましょう。相場内で人材確保を行うことが、採用業務の理想です。応募がない場合や不採用が続く場合に、相場を超えていたら注意しましょう。ここでは、具体的な採用コストを解説しています。採用コストの相場
求人サイトや人材紹介など、人材確保にはさまざまなサービスが存在します。各サービス料は異なりますが、医療業界の採用コスト相場は1人53万円です。中途採用は高くなる傾向があります。その中で、歯科衛生士の採用コスト相場は1人60万円です。また、人材紹介サービスを利用する場合、コストは高くなります。歯科衛生士の年収30%を基本とするため、1人100万円以上はかかるでしょう。1人に60~100万円を想定すると、バランスよい採用業務が可能です。
採用サービスの傾向
採用業務の効率化を進めるために、採用サービスの活用は欠かせません。しかし、コストを無駄にしないよう、採用サービスの選択は重要です。早急に人材確保が行いたい場合は、人材紹介サービスが向いています。時間をかけずに、適切な人材を紹介されるため安心です。しかし、コストは高くかかるので、現場状況をよく理解しましょう。緊急性を要する場合は、活用する価値があります。また、緊急性はなく、将来的に人員不足が予想される場合は求人サイトの利用が最適です。
多くの歯科衛生士が閲覧するため、アプローチになるでしょう。また、人材紹介サービスより、低コストなことも魅力です。しかし、原稿作成や応募者対応を直接行うため、時間や手間はかかるでしょう。
さらに、必ず人材確保ができるとは限りません。そのため、予算と期間を決めてサービス利用することが重要です。
採用コストを節約するコツ
採用サービスを利用するには、膨大なコストが必要です。しかし、不採用が続くこともあるでしょう。コストが無駄になり、課題解決にもならず悪循環です。そこで、さまざまな視点で工夫をし、採用コストを節約しましょう。ここでは、具体的なポイントを解説しています。既存従業員の離職防止
前提として、既存従業員の離職を防ぐことが重要です。安定的に人員が揃うことで、採用業務とコストは発生しません。まずは、勤務環境や待遇など、離職原因になりうることを見直しましょう。歯科衛生士の9割が女性のため、残業時間削減や出産・育児への柔軟性が必要です。また、意欲を高めるために、研修など教育機会を与えると良いでしょう。やりがいを感じることで、前向きに仕事へ取りくめます。そして、良好な人間関係は特に重要です。従業員が問題を抱えている場合、早いうちに解決しましょう。
日頃からコミュニケーションをとり、話しやすい関係性を作ると効果的です。また、個人面談を定期的に行い、従業員の現状や将来性を把握しても良いでしょう。退職の可能性がある場合、引きとめる場にもなります。働きやすい環境を作ることで離職を防ぎ、採用業務の手間とコストはかかりません。
採用後のミスマッチ
コストをかけた採用でも、早期退職するケースがあります。実際に勤務したうえで、条件や方針に合わないと感じることが原因です。また、人としての価値観や、社会性の有無も影響するでしょう。そこで、応募者に向けて、細かい条件提示が必要です。勘違いが発生しないよう、説明会などを行うと良いでしょう。採用のミスマッチは、現場を混乱させる原因です。
教育に費やした時間が無駄になり、急なシフト変更も生じるため、既存従業員のストレスになります。既存従業員の離職に繋がることもあるでしょう。採用のミスマッチで、負の連鎖を起こさないことが重要です。
SNSで採用アカウントを作る
近年、就職・転職活動において、情報収集はSNSでも行われています。X・Instagram・TikTokなどの情報発信は、若年層の確保に効果的です。また、採用専用アカウントとして無料でアプローチできるため、大きな節約になるでしょう。しかし、SNS運用にはノウハウが必要です。ユーザーから注目されるために、テキストや動画の工夫をしましょう。専任スタッフを配置し、戦略的に進めることが重要です。
医院の内部コストにも要注意
採用サービスのコスト以外に、院内でも採用業務にはコストが発生しています。見落としがちになりますが、意識を高めることでコスト削減が可能です。ここでは、注意すべきポイントを解説しています。人件費と生産性
多くの歯科医院では、医院長が採用業務を行います。採用サービスとのやりとりや、面接などに時間が必要です。そこで、医院長自身の人件費が採用コストとなります。また、SNS業務や説明会準備など、従業員の人件費も採用コストです。内部でも採用コストが発生するため、時間をかけすぎない意識をしましょう。とくに医院長の診療時間が減ることで、売上損失にも繋がります。生産性を低下させないために、内部コストへの注意が必要です。