
近年では歯科衛生士不足が深刻化しており、新たに歯科衛生士を採用したいと考えても思うように人材が集まらないケースも増えています。今回は歯科衛生士の採用について、需要が高まっている理由や募集がまず貸くなっている背景のほか、求人広告の活用方法などについても詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
歯科衛生士の需要は年々高まっている
歯科衛生士の求人倍率は2023年度時点で20倍以上あり、1人の歯科衛生士に対して20以上の求人がある売り手市場となっているのが現状です。そのため、とくに都市部では歯科医院そのものは増加し続けているものの、人材確保がままならないという問題があります。ここでは、歯科衛生士の需要が年々高まっている背景や理由について詳しく解説します。
予防歯科の発展
近年では予防歯科が発展しており、虫歯や口腔内の問題が起こる前に定期検診・予防処置などを行う人が増加しているのが特徴です。歯科医院が治療のためではなく予防のための場所へと変化している現在においては、歯科衛生士によるクリーニング指導や口腔内の健康維持指導がとくに重要視されるようになったことで、歯科衛生士の需要が高まっています。
チーム医療の定着
歯科医院をはじめとする医療機関では、さまざまな職種の人材が連携して業務を遂行するチーム医療が主流となっています。歯科医院においても歯科医師と歯科衛生士の連携が重要視されており、歯科医師1人に対して2〜3人の歯科衛生士が在籍しているのが理想です。しかし、実際には歯科医師1人に対する歯科衛生士の数は0.9〜1.1人程度が平均となっており、地域差はあるものの、全国的に歯科衛生士不足が深刻化していることが分かります。
高齢化社会における口腔ケアや訪問歯科の重要性
日本では年々高齢化が進んでおり、高齢者の口腔ケアの必要性が高まっています。高齢者は良好な口腔状態の維持が健康の維持に直結するため、歯科衛生士の中でも口腔ケアを専門とする人材はとくに重要が高いです。また、外出が難しい高齢者の口腔ケアを行う訪問歯科も認知が広がっています。歯科衛生士の募集が難しい理由
歯科医院で歯科衛生士を新しく採用したいと考えても、さいきんでは採用活動が思うように進まないケースも少なくありません。ここでは、歯科衛生士の募集が難しいとされている理由について詳しく解説します。超売り手市場により人材が集まりにくい
先述の通り、歯科衛生士の有効求人倍率は20倍以上であり、休職中の歯科衛生士1人に対して20以上の求人があるのが現状です。言い換えると20もの歯科医院が1人の歯科衛生士の採用を争うともいえる状況であり、超売り手市場となっています。求職や転職を考えている歯科衛生士側にとっては多様な歯科医院の中から働きたい場所を探せるため、条件や待遇にこだわって求人をチェックする人がほとんどです。条件をある程度整えなければ、数ある求人の中から選んでもらうのは難しくなるでしょう。
資格保有者に対して就業数が少ない
歯科衛生士の資格を保有している人は、全国に31万人いることが分かっています。しかし、実際に歯科衛生士として歯科医院などで勤務しているのは、資格保有者全体の半数以下である14万5,000人ほどです。国内には7万件もの歯科医院があることを考えると歯科衛生士の就業数は非常に少なく、採用が難しいことが伺えるでしょう。
求人が求職者の目にとまりにくい
歯科衛生士が超売り手市場である現状を考えると、新たに人材を採用するには求人情報が求職者・転職者の目にとまるような工夫を取り入れることも必要です。求人誌や求人サイトには数多くの歯科医院の採用情報が溢れており、求職者にとってはどの求人も同じように見えているケースが多いでしょう。選ばれる求人にするためには、他院との差別化を意識することが重要です。
採用改善には広告求人がおすすめ
歯科医院の採用を改善して歯科衛生士の確保を目指すには、広告求人を有効に活用するのがポイントとなります。求職者の目にとまる求人広告のポイントは、訴求力が高く、ひと目で興味を引きつけるようなデザインを取り入れることです。また、求職者へのアピールとして条件面や待遇をアピールする歯科医院は多いですが、待遇が同じであれば最終的には歯科医院の理念やビジョン、診療方針などを決め手とする求職者も少なくありません。自院の特色や考え方をしっかりとアピールすることで、求人の差別化につながるでしょう。