歯科衛生士の採用コストが高い?見直すべき費用と採用方法

公開日:2025/10/15 最終更新日:2026/03/24
採用コスト

歯科衛生士の離職率は非常に高く、安定的な確保が困難とされています。そこで、求人サイトの活用は効果的です。多くの歯科衛生士にアプローチできるので、理想の人材に出会えるでしょう。しかし、多額のコストがかかることが課題です。ここでは、採用業務のコストを抑える方法を紹介しています。歯科業界で採用担当を行う方は必見です。

歯科衛生士の採用コスト

まず、一般的な歯科衛生士の採用コストを把握しましょう。相場内で人材確保を行うことが、採用業務の理想です。応募がない場合や不採用が続く場合に、相場を超えていたら注意しましょう。ここでは、具体的な採用コストを解説しています。

採用コストの相場

求人サイトや人材紹介など、人材確保にはさまざまなサービスが存在します。各サービス料は異なりますが、医療業界の採用コスト相場は1人53万円です。中途採用は高くなる傾向があります。その中で、歯科衛生士の採用コスト相場は1人60万円です

また、人材紹介サービスを利用する場合、コストは高くなります。歯科衛生士の年収30%を基本とするため、1人100万円以上はかかるでしょう。1人に60~100万円を想定すると、バランスよい採用業務が可能です。

歯科衛生士採用における主な手法と費用相場

歯科衛生士採用における主な手法と費用相場を整理すると、採用活動の方法によってかかる費用は大きく異なります。まず、ハローワークを利用した場合は掲載料が無料ですが、費用を抑えられるものの応募数が伸びにくい傾向にあります。

求人サイトについては、月額1万〜10万円程度の掲載費が一般的で、媒体次第で応募数が変わってきます。また、人材紹介会社を活用すると、候補者紹介から選考まで支援を受けられる一方で、歯科衛生士の年収の約20〜30%が手数料として必要になり、年収400万円の人材なら80万〜120万円程度の費用になることもあります。

これらに加え、自院のWebサイトやSNSを活用した直接応募はほぼコストがかからないものの、成果が出るまで時間が必要です。ただ単に費用だけでなく、採用手法ごとの特徴や医院の状況に応じてバランスよく組み合わせることが、効率的な人材確保につながります。


採用サービスの傾向

採用業務の効率化を進めるために、採用サービスの活用は欠かせません。しかし、コストを無駄にしないよう、採用サービスの選択は重要です。早急に人材確保が行いたい場合は、人材紹介サービスが向いています。時間をかけずに、適切な人材を紹介されるため安心です。

しかし、コストは高くかかるので、現場状況をよく理解しましょう。緊急性を要する場合は、活用する価値があります。また、緊急性はなく、将来的に人員不足が予想される場合は求人サイトの利用が最適です

多くの歯科衛生士が閲覧するため、アプローチになるでしょう。また、人材紹介サービスより、低コストなことも魅力です。しかし、原稿作成や応募者対応を直接行うため、時間や手間はかかるでしょう。

さらに、必ず人材確保ができるとは限りません。そのため、予算と期間を決めてサービス利用することが重要です。

採用コストの内訳

歯科医院における採用コストは、単に求人広告にかかる費用だけを指すものではありません。実際には、採用活動に関わるあらゆる工程でさまざまなコストが発生しており、大きく分けると「募集段階」「選考段階」「採用決定後」の3つのフェーズで構成されています。

まず募集段階では、求人サイトへの掲載料や人材紹介会社への成功報酬、チラシの作成費、自院ホームページの制作・改修費などが該当します。近年はWeb媒体を活用した採用が主流となっており、写真撮影や動画制作、採用ページのデザイン強化などに費用をかける医院も増えています。

とくに人材紹介サービスを利用する場合は、採用者の年収の一定割合(20~30%程度)を成功報酬として支払うケースが多く、効率的に候補者と出会える一方で、1名あたり数十万円以上のコストが発生することも珍しくありません。広告費だけを見ても、その内容や手法によって金額に大きな差が出るのが実情です。

次に選考段階では、面接対応や書類選考にかかる時間的コストが発生します。院長やスタッフが面接のために時間を確保することで、本来の診療業務に充てられる時間が減少し、結果的に生産性へ影響を及ぼす可能性もあります。

これらは帳簿上に明確に現れにくい「見えにくいコスト」ですが、実際には医院経営に確実に影響を与えています。また、複数回の面接や職場見学、体験勤務を実施する場合には、その分の人件費やスケジュール調整の手間も積み重なります。

さらに採用決定後にも、雇用契約書の作成や社会保険手続きなどの事務作業、制服やロッカー、名札、備品の準備といった物理的コストに加え、教育・研修にかかる時間と労力も必要です。新人歯科衛生士や歯科助手が業務に慣れるまでの期間は、即戦力として十分に稼働することが難しく、既存スタッフが指導に時間を割く必要があります。

歯科衛生士の採用コストが高くなっている理由

歯科衛生士の採用コストが高騰している背景には、慢性的な人材不足という構造的な問題があります。全国的に歯科医院の数は多い一方で、現場で実際に働く歯科衛生士の数は十分とはいえず、いわゆる売り手市場の状態が続いています。

求職者側が複数の選択肢を持てる環境であるため、医院側は「選ばれる立場」となり、より魅力的な条件提示や情報発信が求められるようになっています。その結果、従来のように求人広告を1媒体に掲載するだけでは応募が集まりにくくなり、より目立つ媒体や上位表示オプションの利用、高額な成功報酬型サービスなどを選択せざるを得ない状況が生まれています。

また、求人媒体の多様化もコスト増加の一因です。求人サイト、人材紹介会社、SNS、自院ホームページ、動画コンテンツなどを併用するケースが増え、1名を採用するまでに複数のチャネルへ投資する必要が出てきました。

さらに、給与水準の引き上げや休日数の増加、福利厚生の充実、院内環境の改善など、待遇面の見直しを行う医院も増えています。これらは長期的に見れば定着率向上につながる重要な施策ですが、短期的には人件費や設備投資の増加という形で負担となります。


採用コストを節約するコツ

採用サービスを利用するには、膨大なコストが必要です。しかし、不採用が続くこともあるでしょう。コストが無駄になり、課題解決にもならず悪循環です。そこで、さまざまな視点で工夫をし、採用コストを節約しましょう。ここでは、具体的なポイントを解説しています。

既存従業員の離職防止

前提として、既存従業員の離職を防ぐことが重要です。安定的に人員が揃うことで、採用業務とコストは発生しません。まずは、勤務環境や待遇など、離職原因になりうることを見直しましょう。歯科衛生士の9割が女性のため、残業時間削減や出産・育児への柔軟性が必要です。

また、意欲を高めるために、研修など教育機会を与えると良いでしょう。やりがいを感じることで、前向きに仕事へ取りくめます。そして、良好な人間関係は特に重要です。従業員が問題を抱えている場合、早いうちに解決しましょう。

日頃からコミュニケーションをとり、話しやすい関係性を作ると効果的です。また、個人面談を定期的に行い、従業員の現状や将来性を把握しても良いでしょう。退職の可能性がある場合、引きとめる場にもなります。働きやすい環境を作ることで離職を防ぎ、採用業務の手間とコストはかかりません。

採用後のミスマッチ

コストをかけた採用でも、早期退職するケースがあります。実際に勤務したうえで、条件や方針に合わないと感じることが原因です。また、人としての価値観や、社会性の有無も影響するでしょう。

そこで、応募者に向けて、細かい条件提示が必要です。勘違いが発生しないよう、説明会などを行うと良いでしょう。採用のミスマッチは、現場を混乱させる原因です。

教育に費やした時間が無駄になり、急なシフト変更も生じるため、既存従業員のストレスになります。既存従業員の離職に繋がることもあるでしょう。採用のミスマッチで、負の連鎖を起こさないことが重要です。

SNSで採用アカウントを作る

近年、就職・転職活動において、情報収集はSNSでも行われています。X・Instagram・TikTokなどの情報発信は、若年層の確保に効果的です。

また、採用専用アカウントとして無料でアプローチできるため、大きな節約になるでしょう。しかし、SNS運用にはノウハウが必要です。ユーザーから注目されるために、テキストや動画の工夫をしましょう。専任スタッフを配置し、戦略的に進めることが重要です。

医院の内部コストにも要注意

採用サービスのコスト以外に、院内でも採用業務にはコストが発生しています。見落としがちになりますが、意識を高めることでコスト削減が可能です。ここでは、注意すべきポイントを解説しています。

人件費と生産性

多くの歯科医院では、医院長が採用業務を行います。採用サービスとのやりとりや、面接などに時間が必要です。そこで、医院長自身の人件費が採用コストとなります。また、SNS業務や説明会準備など、従業員の人件費も採用コストです。

内部でも採用コストが発生するため、時間をかけすぎない意識をしましょう。とくに医院長の診療時間が減ることで、売上損失にも繋がります。生産性を低下させないために、内部コストへの注意が必要です。

FAQ(よくある質問)

  • Q採用コストと採用単価の違いは?
    A採用コストとは、人材を採用するためにかかった費用の総額を指すようです。求人広告の掲載費用、人材紹介会社への手数料、採用担当者の人件費、面接にかかる交通費など、採用活動全体にかかる費用が含まれるのが特徴でしょう。一方、採用単価は「1人採用するためにかかった平均費用」を意味するようです。一般的には、総採用コストを採用人数で割って算出されるようです。つまり、採用コストが全体の費用を表す指標であるのに対し、採用単価は採用効率を測るための指標として使われる点が大きな違いといえるでしょう。
  • Q採用単価が高いかどうかの判断基準は?
    A採用単価が高いかどうかは、業界や職種の相場と比較して判断することが多いようです。たとえば歯科衛生士の場合、人材不足の影響もあり採用単価は比較的高くなる傾向があるようです。そのため、単純に金額だけで高い・安いを判断するのではなく、「応募数」「採用までの期間」「採用後の定着率」といった要素も含めて総合的に考えることが大切でしょう。仮に費用がやや高くても、優秀な人材が長く働いてくれるのであれば、結果的に採用効率はいいと評価できるケースもあるようです。
  • Q人材紹介の手数料はどのくらい?
    A人材紹介会社を利用する場合の手数料は、採用した人材の年収に対して一定の割合を支払う形式が一般的なようです。多くの場合、年収の20~35%程度が相場といわれています。たとえば年収400万円の歯科衛生士を採用した場合、80万円~140万円程度の紹介手数料が発生する可能性があるようです。初期費用がかからないケースが多い一方で、採用が決まった際の費用は比較的高額になるため、採用計画や予算を踏まえて利用を検討する必要があるでしょう。
  • Q掲載型と成果報酬型は結局どちらが安い?
    A掲載型と成果報酬型のどちらが安くなるかは、採用状況によって変わることが多いようです。掲載型は一定期間の広告掲載費を支払う仕組みで、応募が多く採用人数が多い場合は、1人あたりの採用単価を抑えやすい特徴があるようです。一方、成果報酬型は採用が決まった時点で費用が発生するため、無駄な広告費を抑えられるメリットがあるようです。ただし、採用が決まると費用が高くなることもあるため、応募数や採用人数の見込みによって使い分けることが重要といえるでしょう。
  • Q早期離職が出た場合、採用コストに含める?
    A一般的には、早期離職によって再び採用活動が必要になった場合、その費用も実質的な採用コストとして考えることが多いようです。たとえば採用した歯科衛生士が短期間で退職してしまった場合、再度求人広告を出したり、人材紹介を利用したりする必要があり、結果として採用コストは増えてしまうでしょう。そのため最近では、単に採用時の費用だけでなく、「定着するまでのコスト」という考え方で採用費用を評価する医院も増えてきているようです。採用だけでなく、入職後のフォロー体制や職場環境づくりも、結果的にコスト管理につながる重要な要素といえるでしょう。

まとめ

採用業務では、時間とコストのバランスが重要です。素早く理想の人材を確保できれば、コストをかける価値があります。緊急で補充すべき現場では、課題解決にもなるでしょう。しかし、徐々に人材を増やしたい場合、低コストのサービスが最適です。歯科衛生士専用の求人サイトを活用し、慎重に探しましょう。時間はかかりますが、納得のいくコストで進められます。コストが高くなりすぎている場合、求人サイトは頼りになる存在です。上手に活用し、最適な人材を確保しましょう。

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